ドーピングの基礎知識

ドーピング [doping]

〔麻薬を与える意〕

(1)スポーツ選手が運動能力を高めるため、禁じられた薬物を用いること。
(三省堂 大辞林より)

禁止対象

世界アンチ・ドーピング機構(WADA:World Anti-Doping Agency)では通例毎年10月に次年度のドーピング禁止物質を公開し、2ヶ月程度の準備期間を設けた後、1月1日より施行しています。この禁止基準は全世界共通です。

WADAによる禁止物質・方法は下記のように分類されています。

禁止区分

世界ドーピング防止規定の禁止表基準には240種以上の成分が記載されています。

1) 常に禁止される物質

代表例は筋肉増強剤、ホルモン剤、利尿剤、ベータ2作動薬などです。 ベータ2作動薬は風邪の治療などでも使われることがあるので、試合期間ではなくても、検査対象選手は注意が必要です。利尿剤は隠蔽薬、つまり他の薬を隠す薬として禁止されています。一部の尿酸を下げる薬も隠蔽薬に分類されます。

2) 競技会時に禁止される物質

興奮薬、麻薬、カンナビノイド、糖質コルチコイド などを代表例とする物質です。 例えば興奮剤などは試合のときに使えば競技結果が良くなる可能性はありますが、普段のトレーニングで興奮していてもあまり意味はありません。そういった、競技会の時だけ成績を伸ばす可能性がある薬物は日常生活では規制されません。

3) 特定競技

競技特性とにおいて有利に働いてしまうに組み合わせに関しては禁止されています。例をあげれば、手の震えを止める作用のある薬物はアーチェリーなどの緊張と集中の中で精密さを競う競技に於いては有利にはらくため禁止されています。

禁止方法

簡単な例では自己血輸血等が挙げられます。酸素を運ぶ赤血球の数が多くするために自分の血液を抜いてとっておき、競技会の際に体内に戻します。

また遺伝子ドーピングは薬物ではないので禁止方法なわけですね。 また、禁止方法で色々話題になりやすい酸素吸入についてですが、現在は酸素自体を補給するのであれば禁止されません。

治療のために薬を使いたい

禁止物質にされているものはいつでも誰でもどんな時でも使えないわけでもありません。 治療目的使用に係る除外措置(Therapeutic Use Exemption:TUE) という例外措置があります。 この申請をすれば禁止物質になっていても使用出来る場合があります。 しかし、必ずしも申請すれば通るわけでもありません。 通るには4つの理由が必要です。

1)治療上使わざるを得ない。(使用しないと健康上重大な障害を及ぼすことが予想される)
2)他に代替治療法がない。
3)治療上使用した結果、競技力を向上させない。
4)当該禁止物質又は禁止方法を使用する必要性が、以前に禁止されていた物質または方法を使用した結果として生じたものでないこと

申請はJADA,もしくは大会主催者など、場合によって違います。 確認してみましょう。 詳しくはJADAのホームページを参照してください。